介護保険サービスを利用するためには、お住まいの市区町村に介護保険を申請をする必要があります。
そうは言っても、「一体どこに申請すればいいのか?」「役所の書類はPDFなので分かりづらい」等 ありますよね。
このコラムでは、神奈川県共通の介護保険申請手順を掲載しています。
また、「介護保険申請便利帳」ではどこよりも詳しく、神奈川県内の市区町村ごとに全ての公的機関の連絡先を掲載!お住みの地域の介護保険申請の連絡先が多すぎて調べるのが大変な方は、こちらの便利帳をぜひご活用くださいね。
1.申請の手順
申請の手順はどの自治体でも同じです。以下の手順を取ります。
介護保険申請の手順
- 電話での相談 市区町の窓口または地域包括センター
- 書類での申請 市役所に提出
- 訪問調査
- 主治医意見書
- 介護認定審査会
- 判定結果の通知
- ケアマネージャーと契約し、ケアプランの作成
- 各サービス事業所と契約
- 介護サービスの利用開始
1-2,7-9は申請者が、3-6は自治体が行います。
それでは、手順を順番に見ていきましょう!
❶電話での相談 市区町の窓口または地域包括センター
以下のようなことがあれば、介護認定を考えてみて下さい。
- この1年間で何回か転んだことがある
- 歩いたり立ち上がる時、不安定でふらつきやすい
- 火の消し忘れや水道の止め忘れがある
- 暑さや寒さに合わせての対策が遅い
介護認定は無料です。
本人に限らず、家族や親族が代筆して提出もできます。近くに家族や親族がいない場合は、以下の方が代行申請をできます。また書類を記入した上で、郵送でも申請できます。
- 本人や家族
- 地域包括支援センター
- 指定居宅介護支援事業者、地域密着型介護老人保健福祉施設、介護保険施設のうち省令で定めるもの
❷書類での申請 市役所に提出
役所や地域包括センターに置いてある「要介護・要支援認定書類」、またはダウンロードできるものに記入した上で、介護保険証の提示とともに提出または郵送します。(ページ下部に書類へのリンクがございます)
介護保険証を失くした場合は窓口で再交付できます。
申請に必要なもの
- 要支援・要介護認定申請書 役所・役場の窓口に置いてあるほか、インターネットからもダウンロードできます。
- 介護保険被保険者証 第1号被保険者(65歳以上)は必要です。
- 健康保険被保険者証 第2号被保険者(40~64歳)は必要です。
- マイナンバーが確認できるもの ※写しでも可能。
- 申請者の身元が確認できるもの 運転免許証、身体障害者手帳、介護支援専門員証など。
- 主治医の情報が確認できるもの 診察券など ※主治医にあらかじめ意見書を作成できるかご確認ください。
「介護保険証って?」
被保険者には、第1号被保険者と第2号被保険者の2種類があります。
介護保険証は65歳以上の方全員に、自治体から送付される保険証のことで、被保険者の氏名や生年月日、保険者番号などが記載されています。こちらに該当する方を、第1号被保険者と呼びます。
また、40歳以上65歳未満の方でも、国が指定する特定疾病の場合は申請が出来ます。こちらに該当する方を、第2号被保険者と呼びます。
以下が国が指定する16種類の特定疾病になります。
- がん(医師が回復の見込みがないと判断したもの)
- 関節リウマチ
- 筋萎縮性側索硬化症
- 後縦靱帯骨化症
- 骨折を伴う骨粗鬆症
- 初老期における認知症
- 進行性核状性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病【パーキンソン関連疾患】
- 脊髄小脳変性症
- 脊柱管狭窄症
- 早老症
- 多系統萎縮症
- 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及糖尿病性網膜症
- 脳血管疾患
- 閉塞性動脈硬化症
- 慢性閉塞性肺疾患
- 両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変性性関節症
❸市が調査
(1)訪問調査
提出した書類を元に、訪問調査員が自宅(入院している場合は病院)に「訪問調査」にやってきます。全国共通の認定調査票に基づいて身体や生活機能、認知機能について質問をします。
調査する時間は30分から1時間です。
(2)主治医意見書
「要介護・要支援認定書類」に記載した主治医の元に、市から意見書の作成が依頼されます。※主治医にあらかじめ意見書を作成できるかご確認ください。
❹介護認定審査会
上記の市が行った(1)訪問調査(2)主治医意見書を元に、コンピュータによる「一次判定」が行われます。
コンピュータによる「一次判定」の結果を参考に、市区町村が任命した「介護認定審査会」が判定する二次判定で決定します。通常、申請から30日以内に判定されます。
❺判定結果の通知
要介護・要支援の区分を認定後、結果が明記された結果通知書と、被保険者証が郵送されます。
要支援1 | 身の回りのことはおおむねできているが、生活上何らかの支援が必要 |
要支援2 | 日常生活の中で身の回りのことに支援が必要 |
要介護1 | 歩行が不安定で、身の回りのことや入浴などに介助が必要 |
要介護2 | 立ち上がりや歩行が自分では難しいことが多く、衣服の着脱や身の回りのことなどに介助が必要 |
要介護3 | 立ち上がりや歩行が難しく、衣服の着脱や身の回りのこと、排せつなどに介助が必要 |
要介護4 | 寝たきりに近い生活で、身の回りのことほとんどに介助が必要 |
要介護5 | 寝たきりの生活のため、食事を含めて日常生活すべてに介助が必要 |
(上記は一例です。「現在の病気の状態や認知症の症状」など本人の全体の状態に合わせて要介護状態区分・要支援状態区分は変わってきます。)
「認定結果に納得がいかない場合は?」
認定結果が予想よりも低く、納得がいかない場合は再審査を要求できます。
介護保険を申請した市区町村の窓口に相談してみましょう。ただし再審査には時間が
かかります。
❻ケアプランの作成
介護保険の認定が下りただけでは、介護保険サービスは利用できません。
健康保険とは違い、サービスを利用するプランの作成が必須になります。いわゆる「ケアプラン」と呼ばれるもので、「いつ・どこで・どんなサービスを・どのような目的で利用するのか」の介護サービス計画書・介護予防サービス計画書を作成し、自治体に提出して初めてサービスが利用できるようになります。
ケアプランや介護予防ケアプランの作成費用は、すべて保険給付となりますので、自己負担額はありません。また、介護保険の認定が下りる前に暫定的にサービスを利用することも可能です。詳細はケアマネージャーにご相談下さい。
❼サービス利用まで
要支援と要介護では、ケアプランの作成からサービスを受けるまでの手順が違います。
要支援は、地域包括支援センターでの相談になります。
要介護では、①自宅でサービスを利用する場合 ②施設入居でサービスを利用する場合 の2種類から選ぶことができます。
なお、ケアプランや介護予防ケアプランの作成費用は、すべて保険給付となりますので、自己負担額はありません。また、介護保険の認定が下りる前に暫定的にサービスを利用することも可能です。詳細はケアマネージャーにご相談下さい。
(1)要支援の場合
地域包括支援センターに連絡し、そこで職員と相談しながらケアプランを作成します。
(2)要介護の場合
①自宅でサービスを利用する場合
要介護認定の場合は、地域包括支援センターではなく、ケアプランの作成をサポートしてくれる介護支援専門員、いわゆる「ケアマネージャー」と相談しなければなりません。
ケアマネージャーは、指定居宅介護支援事業所や、介護施設に所属しています。ケアマネージャーとケアプランを作成したら、利用するサービス事業所と契約を結びます。事業所と契約を結ぶのは基本的には本人ですが、認知症などの場合は代理人を立てることができます。
②介護施設でサービスを利用する場合
この場合、まずは介護施設を探すことが必要です。
介護施設には多種多様な種類があり、公的施設では受け入れ条件が厳しく、民間施設は施設ごとに条件が違うため個人で探すにはかなりの労力が必要です。
入居を決める前に、必ず見学をしましょう。可能であれば体験入居もおすすめです。
入居が決定したら、施設に所属するケアマネージャーに相談しながらケアプランを作成できます。その内容に沿って、施設内でサービスを受けたり、外部のサービスを利用することができます。
eスマイルでは老人ホームをお探しするお手伝いを無料で行っています。
無料の電話相談はこちらから
受付時間:月~金 9:00-18:00
2.被保険者の保険料の支払いについて
保険料の支払いは、第1号被保険者の方と第2号被保険者の方では方法が違います。
第1号被保険者の方
65歳以上
・年18万円以上の年金受給者(月額1万5000円以上)・・・2ヶ月ごとに年金から天引き(特別徴収)
・年18万円未満の年金受給者、または繰り下げた方(月額1万5000円未満)・・・口座振替もしくは、役所・コンビニなどで支払い
第2号被保険者の方
40歳以上65歳未満・・・健康保険組合が毎月の保険料等から徴収
なお、主婦などで第1号被保険者が扶養に入っている場合は、保険料を支払う必要はありません。既に扶養主の介護保険料に含まれています。
以上が介護保険の申請の流れでした。
監修者からのコメント
■介護保険サービスで出来ることと出来ないことの注意点
介護保険サービスは前提として自立支援を目的としたサービスです。そのため、利用者が望んでいるからといって自分自身でできることを介護保険を使用して行うことはできません。あくまでも自立した日常生活が行えるように援助が必要な部分に対して支援をしていくサービスとなります。また、介護保険サービスの提供を受けることができるのは介護保険の利用者本人です。
たとえば、自分で調理が行える人に対して訪問介護サービスを利用して食事を作ることや自分1人でお風呂に入れる人に訪問入浴サービスを使って入浴することなどは介護保険を利用して行うことはできません。また、さきほど述べたように介護保険サービスは利用者本人が利用ものであるため、利用者本人の食事を作るついでに同居家族の食事を作ることなどは介護保険ではできません。
介護保険サービスを利用する本人および家族が介護保険でできることとできないことを理解したうえでサービスを受けることが介護保険サービスを適切に利用するために重要になります。
また、介護保険サービスは契約にもとづくサービスです。契約する以上、事業者はサービスについての重要事項を説明する義務があり、利用者および家族はその説明を受ける権利があります。
そのため、わからないことがあった場合は率直に質問して説明を受けることも必要になります。
eスマイルでは、手厚い相談体制のもと地域密着型の提案で、お客様の老人ホーム選びをサポートさせていただきます。
もちろん、ご相談・ご紹介は無料です。
まずはお電話、またはメールよりご相談ください。